動物病院新米スタッフのコラム②
動物病院は小児科です
「動物病院は小児科ですよ」
わたしが働き始めてすぐ、院長から言われたひとことだ。
「精神科になるときもあるけどね、、」とさらに続く。不安だ。
たしかに、犬猫ではなく、「わんちゃん」であり「ねこちゃん」
エサは、ごはん。
飼い主はお母さんとお父さん、は言い過ぎだけど、苗字にさん付け。
ペットは家族で、子供のように可愛がっているオーナーさんは多い。
しかし、院長の言葉の意味はそれだけではない。
街の動物病院は、人間のクリニックのように〇〇科というのがない。
具合が悪い子が連れてこられたら、泌尿器科、耳鼻科、心療内科、循環器内科、外科、整形外科全ての疾患の可能性を考慮して診療にあたる。
検査の上診断がつくと、必要があれば、県外や遠くの専門的で先進的な治療を受けられる病院を紹介する。
この判断が、全ての診療科の知識をフル動員しなければならないのでとても高度なのだ。
そう言った意味で、小児科。
本人がうまく症状を伝えられないといった意味でも小児科。
治療を受ける意味がわからず、泣いて(鳴いて)嫌がられる、暴れる、ときには怖がられ嫌われる
そう言った意味でも小児科(涙)
精神科といった意味は、、、私は、まだ本当の意味では理解できていない。
「動物は好きだけど、人間は嫌いです。」
そう呟く院長の表情が、過去にあった心労を物語る。
これから私も暗く呟く時がくるのだろうか。
きっとその時には、病院の戦力になっているはず