動物病院新米スタッフのコラム①
温かさはいのち
「腕のなか 震えるわんこで 暖をとる」
どうも、新米スタッフ、影の姿です
冬の病院は、院内であっても肌寒く
わんこを抱く機会があれば、こっそり暖をとっている。
たとえ、わんこが不安に打ち震えていても
それはそれはあたたかい。加えてふわふわだ
工事現場のお兄ちゃんが手を温めるホットコーヒーなんて比にならない(知らないけど)
命ある生き物の温かさに触れると、さらにふわふわが加わると、日頃のストレスが溶け出して、病院の床に吸い込まれていく。
動物病院の下には、スタッフのストレスがたっぷりと染み込んでいるはずだ。
高齢で容体が悪い子が運ばれてくると、診察室は緊張が走る。
中に入れるのは、院長とベテラン看護師だけだ。
診察から出てきた看護師の顔は青ざめていて、
「足が、、こんなに冷たかった、、」
と言って触れたものは、金属製のカルテ棚だ。
命が消えそうな時、温かさも消える。
診察室では、いつ死んでもおかしくない容体であることが、包み隠さず伝えられていた。
高齢の子に対して、積極的な治療を望むオーナーさんは少ない。家に連れて帰る。
温かさが消えそうな子には、家庭の温かさで包む。
熱を出して慌てふためくことがあるが、熱もウイルスや細菌と戦っているからで、生命力の表れだ。
やはりあたたかさは命だ。